肩の痛みで腕の上がりが悪い方々の会話の中で「四十肩・五十肩だから動かさんきゃ~ダメらいや!!」というお話をよく耳にします。
本当にそう思われますか ?
実は、動かしてはいけない状態のものも多くあります。
まず、「四十肩・五十肩」というのは、俗称で正式には「肩関節周囲炎(肩関節拘縮)」といいますがいろいろな原因があります。おおまかに以下のように分類します。
・肩関節性のもの
…骨折や脱臼、腱板損傷、捻挫などのケガの影響で起こるもの
・関連性のもの
…首の病気や胸部の内臓疾患など
・全身性のもの
…糖尿病、転移性の腫瘍など
・はっきりした原因のないもの
…加齢、運動過多や不足、姿勢性の問題、生活習慣の問題など
ケガが原因で起こっているもの以外については、基本できる範囲で運動することの方が望ましいです。
ケガでも急性期(痛くなってすぐ)は控えた方が良いです。
一番の注意点としては、「腱板損傷」です。
鑑別の方法としては、どちらも立位(立っている)、座位(座っている)時には腕が痛くて上がりません。
しかし、痛い肩を上にして横になって腕を上げると、固まっている五十肩は同じく上がりませんが、痛んでいる腱板損傷であれば上がります。
同じように立位、座位でも反対の腕で補助して上がれば腱板損傷、上がらなければ五十肩と大まかに判断できます。
腱板損傷は棘上筋の腱が傷ついていますので、運動によって悪化しますので注意が必要です。
運動してもあまり改善が見られない場合には、他の問題があるかもしれませんので一度ご相談ください。